本サイトは、阿部梨園が3年間で実施した500件の小さな経営改善、業務改善のうち、300件を選んで実例をまとめたウェブサイトです。リリース時に100件を公開し、残り200件は順次追加予定です。

  1. 変わりたいけど
  2. どうしたらいいかわからない

という農業生産者向けに、阿部梨園が過去3年間に取り組んできた小さな経営改善の実例を紹介するウェブサイトです。

既に成功を収められている方、進むべき方針が決まっている方にとっては低いレベルに感じられるかもしれません。そのような方におかれましては、周囲の困っている方や、経験の浅い後輩にでもご紹介いただければ幸いです。

本サイトの特徴

全て実例です

全て、阿部梨園が一個人農家として取り組んだ実例として紹介しています。得られた成果や、実施した感想なども可能なかぎり付記しています。

(!)全てが継続中とは限りません。一部、発展的に解消したり、途中でやめているものもあります。

小さく分割して、網羅しています

小さい改善にこだわって実施し、記録を残してきたので、一連した複雑なプログラムではありません。どこからでも、必要なところや、気の向いたものから取り組むことができます。

事務から販売まで、広範囲をカバーしています。500件取り組んだものから、300件を選んで公開します。

残りの200件は紹介するにはおよばない駄案や、弊園でしか通用しない事例や、今となって実現不可能なものです。省略します。

完全な情報、教科書ではありません

本サイトに掲載されている情報は、阿部梨園が試行錯誤した実例です。あくまで自分たち都合で実施したものであるため、閲覧者のみなさまにとって、最善な方法論を提案しているとは限りません。着想のヒントとしてご活用ください

情報には偏りがあります

果樹栽培直売優先雇用重視での実例ですので、違うタイプの経営体には無用な部分があります。ご了承ください。それでもできるだけ、一般的な視点で課題解決が学べるような内容を心がけています。

生産技術に関する情報はありません

生産技術に関する情報は世の中に十分に流通しているのでそちらに譲ります。

ランダムに掲載しています

掲載の順序にはルールはありません。私たちが取り組んだ順でも、閲覧者のみなさまが取り組むべき順でもありません。同じカテゴリーの記事が連続して掲載されていますが、これは管理上の都合です。

本サイトの使いかた

適当にながめる

くつろぎながらラウジングしてください。気を引く記事があれば目を通してください。人生を変えるつもりで、正座して読まないでください。続かなくなってしまいますので。

ランダムに実施してみる

ちょうど困っていたもの、たまたま目に留まったもの、すぐできそうなものから取り組んでみてください。まずはリズムを作りましょう。阿部梨園も、事務所の掃除からはじめました。

実施したら記録を残す

やったことは記録に残してください。小さな進歩でも、実感できればモチベーションに繋がります。後からまとめて振り返ろうと思っても忘れてしまいます。

経営改善の実施記録:プロミスリスト(#002)

アイデアをふくらませる

本サイトから取り込もうと思ったもの、日々の仕事中に思いついたアイデア、本やウェブサイトから仕入れたテクニックをメモしましょう。弊園と違う解決方法も見つかると思います。

経営改善のネタ帳:アイデアリスト(#003)

阿部梨園について

阿部梨園は、栃木県宇都宮市にある個人経営の梨農家です。「量より質」の生産方針で大きくておいしい梨を作っています。直売に注力しており、店頭販売や通信販売を中心に、生産した梨の99%以上阿部梨園ブランドで完売しています。

阿部梨園 | 最高級梨の生産・直売@栃木県宇都宮市

続きはこちら:阿部梨園について

阿部梨園の経営改善について

2014年当時すでに、阿部梨園は多くのお客様に喜ばれていました。3代目が継いで10年が経ち、新しい技術を取り入れ、オリジナルパッケージを作り、百貨店などの取引先も増えました。ところが、経営や組織づくりでは課題を抱えていて、チャンスを生かしきれない状況でした。

そこに、現マネージャーを勤める佐川がインターン生として加わりました。それまで目をつぶってきた内側(経営)にこそ、改善の大きな余地があることに気づきます。インターンでは100件の小さい改善を実施する、「プロミス100」というテーマを設定しました。佐川は2015年1月からは就職し、改善活動を実施した結果、3年間で500件まで至りました。

続きはこちら:阿部梨園の道のり 続きはこちら:佐川について

経営改善事例のオープン化について

私たちが経営改善に取り組み始めた当初、何から着手したらいいかわかりませんでした。仕方ないので、自分たちなりに業界内外から情報をかき集め、思いついたものから手さぐりで実践していました。ドンピシャな情報にたどり着くまで時間がかかるので、着実に進めつつも、足を引きずるような鈍足感を感じていました。

いつしか、阿部梨園の取り組みを聞きつけた生産者の方々が来園されるようになります。そこで気づいたのは、みんな同じようなことで悩み、足を止めているということです。簡単なことなのに、やったことがないから、どうしたらいいかわからない。他の人はどうしているかわからない。法人化した、立派な農業経営者の体験談は真似できるとは思えない。

たまたま阿部梨園は、実施した小さな改善を全て記録していました。これを公開すれば、参考程度であっても、同業の生産者のみなさまの役に立つかもしれないと考えるようになりました。そこで、インターネット上で誰でも閲覧できる、全て無料の新規ウェブサイト(オウンドメディア)として公開することに決めました。

クラウドファンディングについて

まず、農家の経営改善ノウハウは必要とされているかどうか確信がありませんでした。身近な範囲ではニーズを掴んでいましたが、オープンにまでする必要があるかはわかりませんでした()。

また、私たちは無名の個人農家です。無策で情報を公開しても話題にならず、役に立たないまま放置される可能性が高いです。それは単なる露出狂です()。

事例を公開するにあたって、実例をまとめ直すのは非常に工数がかかります。情報に対する対価はゼロなのに、制作工数分の持ち出しが発生します()。

いろいろ考えたところ、上記3点の課題は、クラウドファンディングをうまく活用すれば、一網打尽できると気づきました。周囲と相談して、すぐにプロジェクトを立ち上げます。「農家の『こんなこと恥ずかしくて人に訊けない』をまとめて解消したい!!」というキャッチで、悩んで立ち止まりがちな個人農家の経営にこそ、伸びしろがあるというメッセージを拡散しようと考えました。

「阿部梨園の100件を超える小さい改善ノウハウを公開するオンライン知恵袋を作りたい」というプロジェクトで、2017年11月13日から同12月25日まで、目標金額100万円でクラウドファンディングを実施しました。

開始直後から爆速でご支援が集まり、最初の1週間で100万円を達成させていただきました。その後も順調に200万円、300万円へ到達し、最終的には約320名から450万円ほどの大きなご支援を預かりました。メディアをはじめ業界内外から想像以上の反響があり、それだけ大きなニーズがあったことを実感しています。

阿部梨園の100件を超える小さい改善ノウハウを公開するオンライン知恵袋を作りたい – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

続きはこちら:プロジェクトの経緯

その後の展開について

2018年5月に約束どおり経営改善事例を「阿部梨園の知恵袋」というウェブサイトでリリースしました。話題になったおかげでハードルが上がり、制作は骨が折れ、時間もエネルギーも想定の倍以上要しています。。最初の記事100件を装填しておそるおそるリリースしましたが、各方面から盛大に好意的なリアクションを受け取って一安心でした。

以後、阿部梨園の知恵袋の存在は徐々に広く知られるようになり、多くの農業者のお役に立てている様子です。全国から感想や感謝の声が数多く寄せられています。「農家の経営改善と言えば『阿部梨園の知恵袋』」と認知されるまでになりました。

メディアでの継続的な露出、プロジェクトの拡散

クラウドファンディングのプロジェクトを1人でも多くの方に知ってもらおうと、見よう見まねでプレスリリースを作成、配信しました。多くのメディアに取り上げていただき、新聞・テレビ・ラジオ・ウェブメディア…各種合わせて、のべ50件以上の取材を受けています。プロジェクトの存在だけでなく、農家の経営課題や課題解決に必要なノウハウやアクションについても、メディアによる情報拡散の恩恵を受けて全国の農業関係者に広く認知されることとなり、おかげさまで話題が話題を呼び、活動の輪が広がっています。ホリエモンチャンネルやNewsPicksにも取り上げられ、業界外からも認知されるようになりました。詳しい情報はメディア掲載/出演のページをご覧ください。

続きはこちら:メディア掲載/出演

講演・セミナーの依頼が殺到、全国展開

阿部梨園の知恵袋プロジェクトが認知されるにつれ、講演やセミナーの登壇依頼が多く寄せられるようになりました。2018年は年間約50件、2019年には年間75件登壇しています。講演活動をとおして北海道から九州まで、さらに全国の賛同者の輪が拡大しています。

阿部梨園の経営改善手法は実践的で、誰でも明日から取り組める小さい事例集であることからも、特に小規模農業者向けの依頼が多いです。生産以外の分野を広くカバーしているため、各論のオーダーにも対応可能です。「農業はまだ万策尽きてない。課題の山は成長のポテンシャルだ」と農業経営に希望があることを述べ伝え、経営改善の種を蒔き続けています。

続きはこちら:講演、セミナー

ファームサイド株式会社を創業(旧FARMSIDE works)

ファームサイド株式会社は、佐川が阿部梨園で経営改善に4年間従事した経験と、阿部梨園の知恵袋としてオープン化した農業経営のノウハウを活用して、農業界の課題を解決するスピンアウト事業会社です。2019年1月に個人事業FARMSIDE worksとして開業、2020年1月に法人化しました。講演・セミナー・ワークショップは年間75件の登壇があり、企業や生産者さんのコンサルティングを並行しつつ、全国の産地で経営改善を伝道しています。

ファームサイド株式会社 – FARMSIDE Inc.|佐川友彦|農業界の課題解決