#216 発生主義、実現主義|阿部梨園の知恵袋
会計には、現金が入出金されたタイミングで収支を計上する「現金主義」と、取引が発生したタイミングで計上する「発生主義」、発生した取引が実現したタイミングで計上する「実現主義」があります。当時の阿部梨園は実質現金主義でしたが、発生主義&実現主義に移行して原稿の会計基準に準拠する必要がありました。
今回の内容 Content
- 現金主義から発生主義&実現主義に移行する
現金の入出金に基づいて費用と収益を認識する考え方を「現金主義」と呼び、金銭のやり取りに関係なく取引が発生した事実に基づいて費用と収益を認識する考え方を「発生主義」と呼びます。
現金主義は金銭の動きだけを記録するので非常に簡明であるものの、一定の期間ごとの正確な損益を把握することが困難です。現金主義でのみ会計を行うと、本来は収益があるにも関わらず書面上は赤字であるかのような結果になってしまうこともあるのです。
それを補うため、発生主義によって期間ごとの収益を把握することが主流になりました。
収益を確定する時点について、実際に代金やその他の等価物によって収益を得、実現した時点にすることを実現主義と呼びます。このような仕方で収益を認識することは、販売したものに対する貨幣的裏付けのある対価を確かに受け取ったという事実に基づいているため、確実性のある収益のみを計上することができ、発生主義のマイナス点を補うものとなります。
企業会計の原則としても、収益の計上については実現主義で行うとされています。
発生主義への移行
現金主義から発生主義へ移行した前年に発生して翌年に現金の収受があった売上や収支は、どちらの年にも計上できないところですが、それらの取引だけ翌年に現金主義で処理すればよいようです。詳しくはリンク先の記事や、税務署、税理士さんに相談してください。
【免責】当方は会計/税務/労務/法務等の専門家ではありません。あくまで農家の実践事例紹介として閲覧ください。詳細はお近くの税理士や社会保険労務士、弁護士にご相談ください。
ねらい Purpose
- 発生主義へ移行して、当該期間の収支を実態に即して把握する
- 入出金のタイミングで計上する現金主義よりも、サービス授受のタイミングで計上する発生主義のほうが、事業活動の実態により近くなります
- 青色申告の65万円特別控除(#131)を受ける
- 現金主義だと、複式簿記で帳簿をつけたとしても10万円までしか青色申告特別控除を受けられません。
今回の結果 Result
- 発生主義へ移行して、当該期間の収支を実態に即して把握できるようになった
- 青色申告の65万円特別控除を受けられた
現金主義だと、着金までに時間がかかる取引などは実際のタイミングとかけ離れてしまうので、月次で推移を追いかけても意味がありません。毎月の事業活動と収支が大切なので、発生主義への移行は必然です。
今回の学び Learning
発生主義をどこまで徹底するかは難しい問題です。まずは仕入や売上など、事業の根幹になる部分から押さえましょう。また、大量に発生する売掛や買掛を手書き帳簿で管理するのは大変ですから、会計ソフトを使うのが無難です。
参考 Supplement
まとめ | #216 発生主義、実現主義 |
---|---|
難易度 | ふつうむずかしい点はありません |
費用 | ノーコスト費用はかかりません |
免責事項
・本サイトは閲覧無料のオープンメディアですが、著作権を放棄しているわけではありません。著作権および商標権その他知的財産権は、阿部梨園に帰属します。したがいまして、ユーザーは、本サイトのコンテンツの全部又は一部を、阿部梨園の事前の承諾なしに、転載、複製、出版、放送、公衆送信等その他著作権等を侵害する行為を、自ら行うことはできず、また第三者に行わせることはできません。同様に、無断の商業利用についても禁じます。
・皆様が本サイトを使用/利用したことによる損害や損失について、いかなる責任も負いかねます。また、本サイトに含まれる資料の正確さや個々の目的への適合性を保証するものではありません。あくまで実践事例集としてご活用ください。
・当サイトはリンクフリーです。ただし、予告なくページの追加、変更、改訂、または削除することがありますので、予めご了承ください。