様々な小さな経営改善を実施してきましたが、諸事情で実現できなかったことは沢山あります。できなかったことのほうが多いです。条件によっては可能なケースもあると思いますので、参考までに紹介させていただきます。

法人化

方向性としては、経営レベルがアップするにつれて、個人経営も法人成りしていくべきだと考えています。個人と事業の分離、社内制度の整備、取引での信用向上など、コストはかかりますがメリットは大きいです。

ではなぜ阿部梨園が法人化しなかったかというと、佐川を雇ったり、新しい圃場を作ったり、設備や機械の更新をしたりするなど、近年は投資が先行していて個人経営のままのほうが税率で有利だったからです。今後どこかのタイミングで法人化できればそのほうが望ましいと考えています。

ちなみに果樹は規模拡大が特に難しく(苗木が見を鳴らせて初期投資を回収するまでが長い)、法人化率が大変低いです。農業法人協会さんの名簿を見ても、滅多にいません。

6次産業化

梨は加工や調理に向かないので、6次産業化にはついぞ手を出しませんでした。梨ジュースや梨ジャムも作れますが、ジュースやジャムなら他に適している果物もありますし、素人が小ロットで作っても、、と考えてしまいます。

農福連携

福祉施設に委託して障害者に業務の一部を手伝っていただくことも考えましたが、現在のパートさんの仕事を減らしてしまいかねないため、現時点では見送っています。タイミングが合えばアリだと思っています。

GAP

GAPは生産管理のスタンダードです。本来であれば認証取得するべきだと思いますが(とちぎGAP的なものには準拠しています)、取得する予定は今のところありません。大きな理由は、自分たちなりに考えて生産管理のベストを目指していることと、直売で成果が出ている分には有利販売の効果は見込めないことです。

認証取得がゴールになってしまって放置されてしまうよりは、自分たちなりに考えて生産管理手法をアップデートするほうが望ましいのではないかとも考えている節もあります。GAPより厳しく管理している部分もあれば、GAP的にはNGの部分もあります。

とにかく、GAPは素晴らしい指針だと思いますので、ぜひ積極的に取得されることをおすすめします。

観光農園

「梨狩り」もお客様に梨を喜んでいただく手段の一つではありますが、大きな課題があります。それは、「梨の適熟を判断するのは、初見のお客様には難しい」ということです。スタッフでも、「今日の梨」を見極めるのに10日〜程度はかかります。それだけ軽微な差なのです。中途半端な梨を選んでご満足いただけなかったら申し訳がたちませんから、私たちプロが見極めて収穫し、責任をもって販売させていただいています。


思いついたら随時追加します。