阿部梨園には以前から商品カタログがありましたが、色々と情報不足でした。もっとスムーズに商品をお買い求めいただけるよう、改善が必要でした。

不足していた主な情報

  • 商品についての紹介がなかった
    • 箱の写真が載っているだけで、中身や違いがわからなかった
  • 価格の表記がなかった
    • 贈答用商品の中に入れる案内として作っていたため、価格を載せられなかった
    • 注文を受けたときに初めて説明していた
  • 家庭用等級の紹介がなかった
    • 注文を受けたときに初めて紹介していた

今回の内容 Content

カタログ制作例

  • 佐川が企画、制作
  • 印刷:プリントパック
    • サイズ:A3
    • 短辺2つ折りクロス長辺巻三つ折
    • 用紙:マットコート110
    • 色:両面4色
    • 部数:10,000部(1パターンごと)
    • 印刷費:50,000円程度(@5.0円!)
  • 主な内容
    • 商品紹介
    • 品種紹介
    • 注文方法
    • アクセス/お問い合わせ先

以下が実例になります。少しずつ進歩している様子が伝わるでしょうか。

商品カタログ(2015) | 阿部梨園

【2016年版】阿部梨園商品カタログ | 阿部梨園

【2017年版】商品カタログ | 阿部梨園

ねらい Purpose

  • お客様が十分な情報をご覧になった上で、商品を選べるようにする
  • 商品を紹介する負担を軽減する

今回の結果 Result

  • 商品カタログの情報を充実させた
  • 商品を紹介する手間を軽減できた
  • NG !家庭用等級とその値段を明示したため、家庭用等級を贈答用でご利用になるケースが生じた
中の人

価格が伏せてある状態だと、電話や店頭で確認が必要です。お互い不要なプロセスだったので、省略できてよかったです。

NG !阿部梨園には外見のみB級品の家庭用等級(等級:優)があるのですが、以前はカタログなどで紹介しておりませんでした(電話などで注文を受けた際にご案内していました)。家庭用は少しお買い得なので載せたほうがお客様の利益になるのではとカタログに表記してみたところ、家庭用等級を贈答用でご利用になるケースが増えました。単価が下がるダウンセルの一例です/(^o^)\

今回の学び Learning

カタログはデザイン勝負だと思われがちですが、文字情報も同じくらい大切です。自分で考えてもあまり出てこないようであれば、情報設計から一緒に考えてくれるデザイナーや専門家と一緒に企画してください。

コツ Tips

価格表記あり/なしの2パターン

価格表記あり価格表記なしの2パターン作成して、商品封入用とDM等ご案内用で使い分けています。

A5サイズの短辺と幅を揃える

A5サイズのパンフレット(#094)とA3短辺2つ折りクロス長辺巻三つ折のカタログは、横幅が同じなので、DM(#190)のセットなどで組み合わせやすいです。

生産のこだわりは控えめに

生産のこだわりを細かく紹介するには紙面が足りないので、最小限にとどめています。ウェブサイト(#089)で詳しく紹介しています。

効能や栄養価の情報は省略

(梨特有の事例ですが)梨の効能や栄養価についての記述は全てカットしました。健康効果や栄養価はゼロではありませんが、他の果物と比べればかなり低いので、主張すると逆にお客様の不利益になると考えたからです。同様に、調理や加工にもあまり向かないので、味のみの一本勝負です。

発展 More

解説 Study

アップセル、ダウンセル

お客様に上位の(=より高価な)商品をお買い求めいただくことをアップセルと言います。上位の商品を選んでもらうには、価値の違いをご理解いただく必要があります。逆に、下位の(=より低単価な)商品をお買い求めいただくことをダウンセルといいます。「水は低きに流る」ですからアップセルは大変ですが、重要な付加価値活動の一つです。

アップセル

より高価な商品・サービスを売ること。ある商品の購入者や購入希望者に対して、その上位にあたる商品を推薦して、販売に繫つなげること。アップ-セリング。

出典:アップセルとは – コトバンク

参考 Supplement

まとめ #093 商品カタログ
難易度 ふつう載せるべき内容づくりがいちばん大切です
費用 中コスト印刷費自体はそれほどかかりません。制作費は内容とデザイナー次第ですね

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