1本の樹あたりの実の数が少ないほど、1つの実あたりの配分される栄養が増えて、大きくおいしい梨になります。そのために梨の実を選別して減らす摘果(てきか)という作業があるのですが、開花して受粉する前に、花芽(花になる芽)の段階で減らしておければ、無駄な成長エネルギーをより抑えることができます。ただし、冬の剪定・誘引作業が早く終わるか、十分な人数がいないと、開花前に花芽整理することは叶いません。

今回の内容 Content

  • 開花前に花芽整理する
    • そのために人員を増やす

例年であれば開花後の授粉から出勤してもらうパートさんに、出勤開始を1ヶ月早めてもらい、花芽整理を担当してもらいました。

ねらい Purpose

  • 梨の生育効率を向上させる
  • 後工程の摘果の負担を減らす

今回の結果 Result

  • 開花前に花芽整理を実施し、無駄な養分ロスを軽減した
  • 花芽整理することで、後工程である摘果の負担が減った
    • ピークカットになり、労働力の平準化を果たした
中の人

これも改善4原則であるECRSの3番目、R(Rearrange、入れ替え)の事例と言えます。開花前の花芽整理と、受粉後の摘果作業を入れ替えたことで、養分ロスが軽減されました。また、摘果作業のピークカットもできたので、労働力の平準化が図れました。

今回の学び Learning

開花前の花芽整理をしたおかげで、その後の摘果作業と合計しての、トータルの作業時間は減りました。労働のピークカットもでき、樹の負担も少なくなったので、各方面で効果大です。こういう施策は人数がいないと取り組めないので、雇用強化のアドバンテージと言えます。

参考 Supplement

まとめ #247 開花前の花芽整理
難易度 ふつうむずかしい点はありません
費用 ノーコスト費用はかかりません

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