梨の等級には秀、優、選外などがあり、「秀>優>選外」となっています。この等級の違いは外観、つまり「カタチの良さや傷の有無」です。(※よく勘違いされる方がいらっしゃいますが、味の違いではありません)。目視で選別するので、担当スタッフの目と判断力が鍵になるのですが、ブレやすいポイントでもあります。

今回の内容 Content

  • 等級基準を作る
    • 見本の写真を一覧表にする // 生産者組合が用意してくれる場合もあります
    • 傷やカタチの悪さを判断する基準を言語化する
    • 色味(=熟度)などの基準でも、規格外品も選別する

「基準を言語化」の例

  • 微細な擦り傷であれば2個以内は「秀」、3-4個は相談、5個〜は「優以下」
  • 生傷は無条件で「選外」 など

ねらい Purpose

  • 等級の選別基準を明確にして、品質トラブルを軽減する

今回の結果 Result

  • 品質トラブルが軽減された
  • 判断スピードを向上し、作業効率がアップした
中の人

基準と言っても、多少の曖昧さを内包しなければいけないこともあります。色味ひとつとっても、見るときの確度や光の加減によって異なりますし、主観が入ることもあります。絶対的な基準ではなく、柔軟に運用しましょう。

今回の学び Learning

基準を明確することで、従業員の心理的な負担を軽減することができます。さらに、お客さまへの説明も安定します。恣意的なラインコントロールもできてしまいがちなポイントですが(基準を下げて等級をアップさせる)、プライドやモラルを保って、お客様に対して誠実な態度を心がけましょう。

発展 More

自主基準にする

直売であれば、組合や市場の選果基準に合わせる必要は必ずしもありません。そもそも秀、優…ってわかりにくいですよね。費用対効果でお客さまが満足してもらえるよう、自主基準にするのも一計です。ただし、(例えば出荷先ごとに)選果基準が複数あると、スタッフは混乱しやすくなります。

例えば、福島の古山果樹園さんの桃は、「とろもも」というブランドで販売されており、大トロ、中トロ…のような等級名にされていてユニークです。

  • 家庭用 → ネギトロ
  • 秀 → トロ
  • 特秀 → 中トロ
  • 逸秀 → 大トロ

https://www.facebook.com/furukaju.jp/posts/1048717365263763

解説 Study

品質管理(Quality Control = QC)

品質基準を定めることは、品質管理の第一歩です。品質管理は製造業で発達し、日本が長らく得意としてきた分野です。略してQCと呼ばれ、QC7つ道具などとして手法が体系化されています。本来は統計的な管理を前提としたものです。

品質管理

英語でquality controlといい,QCと略することも多い。近代的産業において製品のもつべき性能,性質などを,要求される一定の水準に保つために生産者が行う一連の活動。検査により不良品を除くとか,原材料や製品の規格を定め,製造方法や条件などに標準を定めるなどの方法が一般的であるが,今日では多くの場合1920年代から行われ始めた統計的品質管理を意味する。

出典: 品質管理(ひんしつかんり)とは – コトバンク

参考 Supplement

まとめ #174 等級基準
難易度 ふつう言語化に頭を悩ませる方がいらっしゃるかもしれません。スタッフと相談しながら進めましょう
費用 ノーコスト費用はかかりません

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