阿部梨園では阿部の両親が野菜を作っています。地元スーパーの産直コーナーで販売していたり、梨と一緒に直売していたりします。梨を販売している時期には、スタッフも野菜を買って帰ります。梨を販売していない時期には、わざわざ声をかけてそのときに採れている野菜を確認して、翌日以降に収穫してもらって受け取ります(あまり在庫していないので)。少し面倒ですし、毎日出勤しているとも限らないので、結局はスーパーで他所の野菜を買うことのほうが多くなって、お互いにもったいない状況でした。

今回の内容 Content

  • 社内販売を正式に始める
    • 週に1度、野菜班に今週の野菜をリストしてもらう
    • 注文用紙を用意し、上記リストを元にスタッフが注文する

ねらい Purpose

  • スタッフに新鮮な野菜を食べてもらう
    • 買い物負担の軽減
    • 多少の値引き
  • 野菜の売上を向上させる
    • 小売店の販売手数料がかからないので

今回の結果 Result

  • 野菜班との連携がうまくとれず、立ち消えになってしまった

1週間分の収穫を予測して約束することに対する、心理的な抵抗があったようです。「今日/明日何がありますか?」と言われたら答えられるが、天候や小売店側の販売動向も総合して1週間分を先読みするのが負担になってしまいました。野菜の品目がほとんどない時期があったり、こちら側も誰も注文しない日があったり、空振りも思ったより多かったので、随時の確認になりました。もちろん社内販売とは別に、規格外の野菜をスタッフに無料支給することは頻繁にあります。

中の人

「訊かれたら答える」と「事前に想定して伝える」は違うのだなと、難しさを感じました。梨と野菜で分業しているがゆえの弊害でもあります。

今回の学び Learning

農園で野菜を作っているのに、スタッフが外で同じものを買うのは惜しい機会損失ではあります。やり方次第では十分に成立しますし、誰も損しない施策なので、積極的に検討してみてください。

コツ Tips

定期便にする

「週に1回、品目はお任せで1,000円分」など、定期便形式にすれば負担少なく融通も利きそうです。とにかく、確認と調整の手間を減らしましょう。

解説 Study

現物給与

ちなみに、値段がつく売り物をスタッフに無料または安価で提供すると、厳密には現物給与扱いになり、課税対象になります。

現物給与

給与は、金銭で支給されるのが普通ですが、食事の現物支給や商品の値引販売などのように次に掲げるような物又は権利その他の経済的利益をもって支給され> ることがあります。

(1) 物品その他の資産を無償又は低い価額により譲渡したことによる経済的利益
(2) 土地、家屋、金銭その他の資産を無償又は低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
(3) 福利厚生施設の利用など(2)以外の用役を無償又は低い対価により提供したことによる経済的利益
(4) 個人的債務を免除又は負担したことによる経済的利益

これらの経済的利益を一般に現物給与といい、原則として給与所得の収入金額とされますが、現物給与には、1職務の性質上欠くことのできないもので主として使用者側の業務遂行上の必要から支給されるもの、2換金性に欠けるもの、3その評価が困難なもの、4受給者側に物品などの選択の余地がないものなど、金銭給与と異なる性質があるため、特定の現物給与については、課税上金銭給与とは異なった取扱いが定められています。

出典: No.2508 給与所得となるもの|国税庁

参考 Supplement

まとめ #236 社内販売
難易度 かんたんむずかしい点はありません
費用 ノーコスト費用はかかりません

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